絶対音感とは?先天的・後天的問題と相対音感

あなたも一度は「絶対音感」という言葉を聞いたことがあると思います。

日常生活のあらゆる音を聞いた時に、それが「ドレミ♪」などと音階で聞こえたりする感覚という話はよく聞きますよね。

この絶対音感とは生まれつき持っている先天的な能力なのか、それとも訓練によって身に付ける事ができる能力なのか知っていますか?

結論から言いますと絶対音感は先天的なものという研究結果が証明されており、後天的に身に付けられるものではないとされています。

では絶対音感を身につけるためのトレーニングは無駄なのか?ということですが、そうとも限りません。

この記事ではその理由について詳しく解説していきます。

目次

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絶対音感について

絶対音感とは音を聞いた時に「音階」を瞬時に判断できる能力のことです。

古くは美空ひばり、現代では宇多田ヒカルなどのアーティストが絶対音感を持っているといわれています。

絶対音感を持つ人は3%もいる?

絶対音感を持っている人の割合は、大体3%くらいと言われていますので100人いれば3人の方が絶対音感を持っている事になります。

「え、そんなに?知り合いに1人もいないけどな~」

この数字を聞いて、こう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ですが、それは本人が気づいていないか、特に周りに話していないという事が考えられるのです。

例えばよく「絶対音感=歌が上手い」というイメージがあると思います。

もちろんその傾向はあるのですが、実は絶対音感の持ち主でも歌が上手に歌えない人もいます。

これはなぜかというと、歌を上手に歌うには2つの能力が必要とされているからです。

  1. 音を正確に聴く
  2. 歌を正確に歌う

という2つなのですが、絶対音感を持っている人は1が備わっていても2は備わっているとは限らないのです。

1と2の能力を備えていて、完璧な歌を歌うことができる人ならそれは「この人絶対音感の持ち主かも!」と思われるでしょうが、そんな人はごくごくわずかです。

歌が上手ではないので「私、絶対音感持っているよ!」って言っても信じてもらえなくて悲しい思いをするくらいなら、「言わないでおこう」なんて友だちもいるかもしれません。

また、絶対音感を持っていたとしても歌が上手に歌えないので、その人が絶対音感の持ち主として認識されていないという事も往々にしてあると思います。

絶対音感は音楽を生業にしようとしている人にはかなり有利な能力ですが、日常生活で活かせる場面は皆無と言っていい能力です。

「救急車の音がシーソー・シーソーに聞こえる!」と思っても、それが何になるのかと思ってしまいますよね。

誤解のないように言いますけど、私は絶対音感はすごい能力でうらやましく思ってます。

先天的なものとして証明されたが…

これまで絶対音感は生まれつき先天的なものなのか、それとも教育環境によって取得可能な後天的なものなのか、という議論があり、長らく結論が出ていなかったが、ある研究結果によって絶対音感は先天的なものとして証明されました。

2019年にライブドアニュースで報じられています。

https://news.livedoor.com/article/detail/16035336/

そこから引用してみますと次のような事が書いてあります。

トロント大学とデラウェア大学の共同研究チームは、この「絶対音感」についての最新の研究結果を医学誌『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』に発表した。それによると、絶対音感は遺伝学的に先天性のものであることが判明したという。

研究チームはまず、ボランティアで実験に参加した61人を3つのグループに分けた。
1つ目のグループは絶対音感を持つ経験豊かな音楽家たち、2つ目のグループは絶対音感はないが経験は豊かな音楽家たち、3つ目のグループは最小限の音楽的スキルのみを持つ人たちである。

3つのグループに聴覚検査を受けてもらい、さらにMRIを使用して脳のどの領域が活性化しているかを分析した。特に、聴覚情報を受け取る脳の領域である一次聴覚野に注目した。この領域で、周波数をはじめとする音の基本的な要素が識別されることになっている。

その結果、絶対音感を持つ音楽家はそれではないグループよりも側頭葉の上側頭回に位置する聴覚野の反応が大きいことが判明した。また、絶対音感の持ち主は音の周波数を認識する脳の領域の体積が大きめであることも明らかになった。研究に参加した絶対音感の音楽家たちのプロフィールを調査したところ、グループの20%は7歳までにまったく専門的な音楽教育を受けていなかった。つまり、遺伝学的な要素が絶対音感の有無の決定することはほぼ間違いないという。しかし、研究者たちはこの能力の発達にはある程度の時間を要するとも推測している。

つまり、

  1. 絶対音感を持つ音楽家
  2. 絶対音感を持っていないが良い音楽家
  3. 少しの音楽スキルを持つ一般人

3つのグループを作り、脳波などを調べたらやっぱり絶対音感を持つ人は聴覚野などの反応が大きかったりして他と違う傾向があった。

次に絶対音感を持つ人たちの幼少期に音楽教育を受けていた割合を調べたら、20%が7歳までに音楽教育を受けていなかった。

という事みたいですが、私は正直な所「明らかにとまではいえないのでは?」と思いました。

つまり絶対音感の先天的のものであるとは、このデータでは結論付けられないというのが私の感想です。

絶対音感は先天的な物なのか後天的なものなのか。

まだまだ、この論争は続くと思われます。

絶対音感と相対音感

しかし!

絶対音感を語る上でかかせない存在に「相対音感」というものがあります。

絶対音感はもしかしたら先天的なものなのかもしれないけれど、相対音感は後天的に鍛えられることができます。

相対音感とは

相対音感とは1つの音に対して、別の音がどの程度離れているのかを判別できる能力のことです。

例えば「ド」の音を聞いたときに「ミ」や「レ」が判断できることを相対音感といいます。

まず基準となる1つの音を聞けば、そこから比較し音の高さを判断できる能力ということですね。

よく曲を聞いただけで耳コピが出来る人がいるかと思いますが、そういったのが相対音感の持ち主であることが多いです。

相対音感の鍛え方

相対音感は幼少の頃にトレーニングしないと発達しないものではなく、大人になってからでも適切にトレーニングすることで鍛えることができます。

ピアノを演奏するというのが効果的な方法です。伴奏を耳でコピーしたり、その音を口でも発してみたりと、音のインプットとアウトプットを繰り返していきます。

まとめ

絶対音感と相対音感について解説してきました。

絶対音感は素晴らしい能力ですが、先天的なものか後天的なものかよくわかっていません。

また音楽に必ずしも必要な能力ではなく、相対音感があれば同じようなパフォーマンスも出来るでしょう。

もしあなたが絶対音感がほしいと悩んでいるのなら答えは簡単です。相対音感を鍛えればいいのです。

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この記事を書いた人

声に関する情報なら幅広く取り扱う、情報メディア「コエニュー。」の編集部です。宜しくお願いします。

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